ジブリの時代は終わった?ズートピアから考えた日本企業の暗い未来図
ディズニー映画のズートピアを観て、すごく良かったのですが、
もうジブリの時代は終わったかもなぁ〜と一抹の寂しさを感じました。
今回の記事では、ディズニー映画のズートピアを鑑賞して感じた
ジブリの衰退とディズニーの躍進から、
21世紀の日本企業のディストピア(絶望的な未来図)を考えてみました。
リアル・ジブリ世代
私は「となりのトトロ」も「天空の城 ラピュタ」も、
実際に自分が小さな子供の頃、封切りされた映画館で観た
「リアル・ジブリ世代」なので、ジブリへの思い入れは人一倍あります。
ただ冷静に考えると、
ディズニーに現代の社会問題にここまで向き合ったアニメを作られると、
正直、ジブリには太刀打ちできないんじゃないかと思います。
ジブリはディズニーを超えられない?
「風の谷のナウシカ」や「もののけ姫」を初めとして、
子供だけではなく、大人も楽しめる人間社会への深い洞察が売りのジブリでしたが、
最近のジブリは、その面では全然ダメですね。
以前の記事で、白人女性の原作者の酷評に対して、
宮崎監督の息子の「ゲド戦記」のジブリ映画を擁護しましたが、
それだって、裏を返せば、
典型的な日本人の人種差別意識の低さを露呈しただけで、
作品の背景を少し調べれば分かることを手抜きしたお粗末なものだ。
進化したディズニー
ジブリが宮崎監督の引退で退化したのに比べて、
ディズニーが進化しているのも大きいですね。
全世界的ヒットを記録した「アナと雪の女王」も
以前の紋切り型の「女の子を助ける王子様」のイメージからの離脱でしたし、
今回も「ポカポンタス」や「ターザン」を作成して、
人種主義的・白人中心的歴史観を非難されていたのと
同じ会社が創ったのとは信じられないほどの
良質なコンテンツを提供している。
日本企業とアメリカ企業の対比
ジブリ衰退とディズニーの躍進という対照的な姿を見ていると、
21世紀の日本企業とアメリカ企業の未来を眺めているようで陰鬱たる気持ちになる。
宮崎監督一人に頼るような制作体制からの離脱を長らく叫ばれながらも、
結局、宮崎を継ぐ才能が育てられなかったジブリのように、
1990年代のバブル崩壊から、
日本型企業経営からの脱却を叫ばれながらも、
いまだに女性と若者という、未来への投資のために
一番大切な人材を育てられずに、
リストラや派遣で、社会的弱者にしわ寄せがいっても、
実際に企業のトップで甘い汁を吸っているのは
中高年の日本人男性という企業経営体制を革新できない日本企業は、
泥舟のように沈むしか未来はないだろう。
GoogleやFacebook、Amazonなどの多国籍企業が、
アメリカ発のグローバル化(世界のアメリカ化)の追い風を受けつつも、
革新精神を失わずに、
次々と新しいことに挑戦して世界を驚かしている姿とは対照的だ。
社会学の研究
これは、私が勝手に言っているのではなく、
東大の名誉教授である社会学者の上野千鶴子を始め、
巨大日本企業の沈没は、社会学の研究分野では、
ほぼ避けられない自明のことになっているのではないだろうか?
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三菱自動車の25年にわたる不祥事による信頼の失墜や
台湾企業によるシャープの買収などの最近の出来事は、
その前触れみたいなものだ。
ローカルな動きの台頭
ただ私は、現在の日本を代表する巨大企業の先行きは暗くても、
日本の未来そのものは、そんなに暗いとは考えていない。
草の根のローカルな部分で、若者たちを中心に、
従来のような大企業中心ではない、
新しい生き方が生まれていると感じているからだ。
まとめ
今回の記事では、ディズニー映画のズートピアを鑑賞して感じた
ジブリの衰退とディズニーの躍進から、
21世紀の日本企業とアメリカ企業の未来図を考えてみました。
また皆さんのご意見を聞かせていただけると嬉しいです。