これからの日本社会の3つの変化を「ライフシフト」から分析してみた
どうも、Glocal Lifeです。
今回の記事では、これからの日本社会の3つの変化を
世界的ベストセラーの「ライフシフト」から分析してみました。
①スマートシティと都市部への人口流入
「ライフシフト」の都市部への人口流入の箇所を読んだ。
「スマートシティ」は、
アメリカの場合だと大変に納得できる主張だが、
日本に当てはまらないかもしれない。
なぜなら「高度 な 創造 性 を 備え た 集積 地 の 核 を 成す のは、
多く の 場合、 世界 レベル の 大学」だからだ。
つまり東京が引き続き、
アジアのイノベーションの集積地として活躍できるかどうかは、
東京の大学教育の質に頼る部分が大きい。
日本の大学の世界での評価
日本の研究者は優秀だが、
日本の大学は世界レベルで見ると、あまり強くない。
日本のトップ大学である東京大学でさえ、
世界ランキングでは、いつも40位前後であり、
アジアの中でも、シンガポール国立大(24位)や、
中国の北京大(29位)と清華大(35位)に及ばない。
これは個人の問題ではなく、
創造性を殺す日本の大学のシステムの問題だ。
大学改革が必須である。
都市から地方への人口流出?
「ライフシフト」の論じる都市化は、
アメリカや中国やロシアやインドのように、
国土が広大な国では納得できる主張だが、
日本に当てはまらないと思う。
日本みたいな小さな国で、
これだけ新幹線を始めとした高速移動が可能な交通網が、
全国に整備されている場合、
逆に都市から地方への流出が起こると思う。
ただ「ユニリーバ の 幹部 たち が
温室効果 ガス の 排出 源 を 調べ た ところ、
会社 への 通勤 が 莫大 な 量 の 温室効果 ガス を
生み出し て いる こと が わかっ た」(ライフシフト)とあるから、
みんな家や近所のカフェで働き、
会議はバーチャルで済ます時代になるんだろうな。
②労働人口の減少問題
次に論じたいのは、高齢化と出生率の低下による労働人口の減少問題だ。
「最大約1 億 3000 万人 に 達し て い た 日本 の 人口 は、
2060 年 には 8700 万人 まで 減る という 予測 も ある。
しかも、 この うち 65 歳 以上 の 人口 が 40%を占める」(ライフシフト)
この場合の日本は、労働力をロボットに頼らざるえないだろう。
「したがって、ロボット に 雇用 が 奪わ れる こと を 心配 する より、
ロボット が 労働力人口 の 縮小 を 補い、
経済 生産 と 生産性 と 生活水準 を
保っ て くれる こと を 歓迎 す べき だろ う」(ライフ・シフト)
日本の歴史的・文化的背景を考えれば、
外国からの移民を大量に受け入れるより、現実的な選択肢だと思う。
人間とロボットの共生
以前「これからの社会で仕事は全部ロボットがしてくれる」
という記事を書いたので、
読者の方の中には、昔のSF小説のように
「ロボットに人間が支配される時代になるのではないか?」と
不安に思われる方もいるかもしれません。
それについて書いた記事です。
私は人間とロボットの共生は、十分に可能だと思います。
「機械 は 工場労働者 の 職 を 奪っ た が、
数々 の 新しい 職 も 生み出し た。
機械 を 導入 すれ ば、
それ を 製造 し、 操作 し、 整備 する 人間 が 必要 に なる。
こうした 補完 的 業務 が 新た な 雇用 を 創出 する のだ」(ライフシフト)
好きなことを仕事にする
ただテクノロジーの進化は、予測できないので、
大事なことは、好きなことを仕事にすることだと思う。
なぜなら、人間は心の底から好きなことに没頭している時に、
一番創造性が発揮できるからだ。
以下のライフシフトの引用箇所が指摘しているように、
何が社会で価値を生み出すか、未来を予測するのは難しい。
「(未来の社会では)空飛ぶ車が生まれる はず だっ た のに、
手 に し た のは( ツイッターの)140 文字 だっ た と、
投資家 の ピーター・ティール は 嘆い て みせ た」(ライフシフト)
だからこそ「人間にしかできない付加価値」を狙うべきだろう。
③無形財産の重要性
最後の一つは、この記事で述べたように、
健康や人間関係などの無形財産の重要性が増してくる社会になるだろう。
有形財産(お金や家など数値化できる財産)と
無形財産のバランスについては、
こちらの記事でも詳しく論じた。
無形財産も数値化できる?
無形財産は、健康や人間関係などの「形に見えない」財産のことだが、
「ライフシフト」によると、
将来は健康診断の数値のように、
人間関係も数値化できるかもしれない。
「ネットワーク分析により、
ある 人の人的 ネットワーク の 規模、 多様 性、 強 さを 明らか に し、
それ が 向上 し て いる か 悪化 し て いる かを 把握 する 試み が 多く なっ て いる」
幸せはお金で買えるか?
経済学で注目されてる「イースタリンのパラドックス」の現象は、
日本人には身に沁みて感じられる気がする。
「豊か な 人 ほど 幸福 な 傾向 は ある ものの、
国 の 平均 所得 と 国民 の 平均的 な 幸福 度 の 間 に
直接 の 関係 は 見 られ ない」(ライフ・シフト)
幸福感に関する有名な研究を主導したハーバード大学教授は、
こんな言葉を残している。
「幸福 を 支える 柱 は 二つ ある。
一つ は 愛、
もう 一つ は、 愛をないがしろにせずに済む生き方だ」
過労死などの事件が後を絶たない日本では
「愛をないがしろにせずに済む生き方」へのシフトが求められてる気がする。
結局、これからの時代に必要なものは、
「目に見えない価値」を見極める目利きかもしれない。
「皮肉屋とは、あらゆるものの値段を知っているが、
いかなる もの の 価値 も 知らない人間 の ことだ」(オスカー・ワイルド)
値段と価値は違うが、それに気づかない人は多い。
星の王子様の「心で見なくちゃ、物事はよく見えない。
肝心なことは、目に見えないんだよ」と同じ意味なんだろうな。
まとめ
という訳で、今回の記事では、
これからの日本社会の3つの変化を
世界的ベストセラーの「ライフシフト」から分析してみました。
- 作者: リンダグラットン,アンドリュースコット,池村千秋
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多様な意見の一つとして、
少しでも皆様のご参考になれば嬉しいです。
これからもGlocal Lifeをよろしくお願いします。