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エロ本はヘイトスピーチなのか?バトラーとフーコーから考えてみる

どうも、Glocal Lifeです。

今回の記事では「レイプ系エロ商品はヘイトスピーチの一種なのか?」を

考えてみたいと思います。

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エロ漫画とヘイトスピーチ

ヘイトスピーチは犯罪というのは、先進国では常識なのに、

女性の尊厳を徹底的に傷つけて暴力的に犯すようなエロは、

未成年じゃなければ誰でも買えるというのは、どうしてなのだろうか?


人種差別のヘイトスピーチが犯罪でも、

男女差別のヘイトスピーチは許されるということか?


それともフィクションだからだろうか?


いくらフィクションでも、

あんまりひどい人種差別のフィクションは、

アメリカではヘイトスピーチとして認識されるけど、

男女差別のフィクションは、ヘイトスピーチとは認識されないんだろうか?


人種差別と男女差別の違いは何なのだろうか?

Judith ButlerのExcitable Speech

私は表現の自由は守るべきだし、検閲の強化には反対だ。


ただ人種差別のヘイトスピーチは規制されていても、

レイプ系エロ商品は「性欲の解消」という名目で許されているのは、

論理的一貫性という面から、純粋に疑問に思う。


フェミニスト理論家で有名なJudith Butlerの

Excitable Speechという本が、

この件に関しては、興味深い論考を展開していたので、

時間がある時に、もう一度読み返したいと思う。

Excitable Speech: A Politics of the Performative

Excitable Speech: A Politics of the Performative

日本語訳は、こちらです。

触発する言葉――言語・権力・行為体 (岩波人文書セレクション)

触発する言葉――言語・権力・行為体 (岩波人文書セレクション)

人を興奮させる言葉

ただバトラーは、意識的にすごい難しくて、

読みにくい文章を書くので、読むのが時間がかかるんだよなぁ〜笑


Excitable Speechというのは、

読んで字の如く、人をエキサイト(興奮)させるスピーチ、

人の感情を煽る言葉という意味だ。


この本では主に、ヘイトスピーチを取り扱っているが、

バトラーの展開した議論は、

人を興奮させる言葉(メディア)ということで、

官能小説やエロ本、エロ漫画なども含まれる。


ただ日本語訳のタイトルでは「触発する言葉」と訳されているのは、

ちょっと微妙な気がする。(日本語版は読んだことないけど)


「触発する言葉」って、啓発を受けた名言みたいな印象が強いので、

このコンテキストでは、適正な訳とは言えないんじゃないだろうか?

権力は普通の日常生活の構造の中に潜んでいる

フランスの哲学者フーコーは、

権力は普通の日常生活の構造の中に潜んでいると喝破したが、

その最たるものは男女差別かもしれない。


そう思うと「性と権力」の関係性を考察した

「性の歴史」シリーズが未完に終わってしまったのは残念だ。


私も「性と権力」について、もう一度勉強し直したいなぁ〜と思う。

「性と権力」の関係性を考察した「性の歴史」シリーズ

参考までに、未完ですが、

フーコーは「性の歴史」シリーズを3巻刊行しています。

すごく勉強になる本です。

自己への配慮 (性の歴史)

自己への配慮 (性の歴史)

快楽の活用 (性の歴史)

快楽の活用 (性の歴史)

知への意志 (性の歴史)

知への意志 (性の歴史)

まとめ

という訳で、今回の記事では、

人種差別と男女差別の違いを考えてみました。


多様な意見の一つとして、

少しでも皆様のご参考になれば嬉しいです。

これからもGlocal Lifeをよろしくお願いします。

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