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グローバル時代のアメリカ人の諧謔化された自画像を描くミュージカル

どうも、Glocal Lifeです。

Book of Mormonというミュージカルが

アメリカで人気です。

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Book of Mormon

Book of Mormonは「モルモン書」と呼ばれ、

キリスト教徒の一派であるモルモン教徒の経典です。

モルモン書 - Wikipedia

このミュージカルでは、

モルモン教徒の聖都であるユタ州のサルト・レイク市で

宣教師の教育を受けたモルモン教徒の若い青年が

アフリカのスーダンに派遣されることから物語が始まります。

アメリカ人の自画像

一見すると、アメリカの中での少数派である

モルモン教徒を笑い者にしているように見えますが、


このミュージカルがヒットした理由は、

善良だが、無知で愚かなモルモン青年の主人公の中に、


グローバル時代のアメリカ人の諧謔化された自画像を

観客が見出したからではないかと思っています。

笑いの中に鋭い風刺

コメディなので、最初から最後まで笑っぱなしですが、

アメリカのコメディは、風刺がきいていて、

笑いの中に、いろいろ考えさせられる要素が多かったです。


特にアメリカを始めとする先進国の豊かさとは対照的な

アフリカの悲惨な現状は、厳しく映し出されていました。

"I believe"

名曲ばかりのミュージカルで、

特に風刺のきいた歌詞が素晴らしいのですが、

今回は、この一曲を紹介します。


主人公のモルモン宣教師の青年が、

神のご加護があるのだからと信じて、


"I believe" 「僕は(神を)信じている」と歌いながら、

スーダンのwar lord(軍閥の長)の所に飛び込む場面です。


ちなみに、彼はこの後、

軍閥の長の所に勝手に飛び込んだ罰として犯されます(笑)


I Believe - The Book of Mormon - Andrew Rannells - Tony Awards 2011

英語の歌詞はこちらです。

http://www.lyricsfreak.com/t/the+book+of+mormon/i+believe_20912876.htmlwww.lyricsfreak.com

アメリカの外の世界に無知

この歌の場面のように、

善良な人間だが、相手の都合を考えずに

一方的に無理やり善意の押し付けをするのは、

グローバル時代のアメリカ人の自画像を彷彿させる。


この主人公は、善良で馬鹿ではないが、

圧倒的に、アメリカの外の世界に無知であり、

学ぼうという意欲さえない。


世界の方がアメリカに学び、

アメリカに合わせるべきだと思っているのだ。

まとめ

今回の記事では、

アメリカで人気のBook of Mormonというミュージカルが


グローバル時代のアメリカ人の

諧謔化された自画像を描いているのではないかと

分析してみました。


興味がある方は、全曲Youtubeで無料で視聴できるので、

ぜひ試してみてください。


本当にコメディとしても笑えるし、

現代世界の中でのアメリカの立ち位置を考えさせられます。


これからもGlocal Lifeをよろしくお願いします。

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