白人以外の血が一滴でも混じればアウト?米国の人種主義と日本の比較
前回の記事では、アメリカの伝統的な人種意識として、
「白人以外の血が一滴でも混じれば、もう白人ではない」という考え方を紹介した。
日本の「一滴でも日本人以外の血が入ると、外国人っぽい顔立ちになる」
という感覚とは、ある意味、似ているが、
日本人の白人に対するコンプレックスが、
事態を少し複雑にしている。
白人に対する反骨精神
アメリカで、様々な人種差別を経験してきた私にとっては、
「白人がそんなに偉いのか?」
「そもそも、純粋な白人って、
そんなに美人・美男子じゃなくない?」
という反骨精神もある。
日本の無邪気だが、有害な人種主義
日本では、無邪気な人種主義を、よく目撃する。
白人の子に対して、「天使みたいに可愛い」とか
「女性は色白の方が美人だ」みたいな考え方だ。
悪気がないことは重々承知しているが、
無邪気なだけに、大変に性質が悪くて、有害な考えだ。
人種主義は、文化の部分も大きい
人種主義というのは、政治や経済の部分だけでなく、文化の部分も大きい。
人種主義の文化面とは、「白人=かっこいい」「白人=美人」というようなイメージだ。
美意識の部分であり、好き嫌いの部分でもある。
人種主義を始めとした差別的権力構造は、
そのような文化の土台なくして、
政治や経済的な権力の保持は不可能だ。
マルクスは、生産に関わる経済活動を、社会組織の「下部構造」としたが、
実際に、政治や経済などのハードパワーを支えているのは、
文化の面のソフトパワーじゃないのかと思う。
まとめ
今回の記事では、アメリカの人種主義と日本の対比から、
政治や経済などの人種支配を支える、文化面の下部構造を考察した。
「何をもって『美しい』とするか」の美意識は、
個人の好みの問題と考えられがちですが、
それ以上に、社会的な概念に影響された「高度に政治的な問題」だと思っています。
皆さんのご意見も、お伺いできるのを楽しみにしています。
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