国内に11個の地域国家を抱えるアメリカ (後半)
今回の記事では残りの6つの地域国家について紹介します。
前回までの経緯
前々回の記事で、アメリカ国内の様々な分断について語り、
前回の記事で、アメリカを11個の「地域国家」に分断した本を紹介し、
最初の5つの地域国家を詳しく説明しました。
引用先と翻訳について
今回ご紹介しているのは、こちらの本です。
残念ながら、今のところは日本語訳は出版されていないようです。
American Nations: A History of the Eleven Rival Regional Cultures of North America
- 作者: Colin Woodard
- 出版社/メーカー: Penguin Books
- 発売日: 2012/09/25
- メディア: ペーパーバック
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それぞれの民族国家の簡単な説明は、この英語のまとめサイトからお借りしました。
6. "Greater Appalachia"(大アパラチア)
*アパラチアは、
ニューヨーク州からミシシッピ州まで伸びるアメリカ合衆国東部の地域
(アパラチア山脈周辺地域の田舎と都会と産業化された地域)を表す用語。
アパラチア山脈の一部はメイン州を通ってカナダまで伸びているが、
ニューイングランドは通常アパラチアの定義から除外される。
戦争で疲弊した英国臣民によって建国され、
この地域は気まぐれな価値観を持っている。
南北戦争では北部を支持したが、今は保守的な倫理を好んでいる。
7. "El Norte"(ラテン・アメリカの北部)
*スペイン語で "The North"(北部)の意味。
ここでは、メキシコを始めラテン・アメリカから見た北部として使われている。
スペインが以前アメリカの西部全域を支配したが、
今この地域を特徴付けるのはラテンの影響である。
「(中略) ノルテニョ(スペイン語での北部人の意味)は、並外れて、
独立独歩・自己充足・適応力がある・仕事に集中するという評判がある。」
8."The Far West" (極西部)
*日本がFar East (極東)と呼ばれるように「遠くにある西部」という意味。
保守的な西部。産業の大規模な投資にとって発展したが、
住民達はその投資を支配していた東部の利益団体に対し憤り続けている。
9. "New France"(ニュー・フランス)
深い南部に巣食うリベラルな孤立地帯。
そこでは18世紀の啓蒙主義的価値観が今だに優勢である。
「その人々は地から実際的で、平等主義者で、合意を重んじ、
アメリカ大陸で最もリベラルなグループの一つである」
10."The Left Coast"(残された左側の海岸沿い)
*Leftに、左と、残る(leave)の現在完了形の二つの意味をかけている
「ヤンキーの理想主義者と、アパラチア自己表現と探求を併せ持っている。」
ここでは農場とi-Podsが、隣同士に存在している。
11."First Nation"(最初の部族国家)
アメリカ先住民の遺産のおかげで、実質的な独立を楽しめている。
しかし、その独立は多くの場合、経済的損失も含まれている。
まとめ
4年に一度の大統領選で、アメリカへの注目も高まる今年。
このような分布図を頭に入れておけば、
各州の得票率なども理解しやすいかもしれません。