アメリカ建国以来の「自由と平等のジレンマ」と2016年大統領選
前回の記事では、
アメリカにおける教育の不平等について語ったが、
今日は、この教育の不平等性が
大統領選にどう影響するかについて書きます。
大学の学費の無料化
これまで大学の学費の軽減を訴える政治家も幾人かいたが、
絵空事として片付けられていた。
今度の大統領戦の民主党のヒラリーと二分する有力候補であるサンダース氏は、
自分を「社会主義者」と考える政治的信条の基づいて、
州立の大学の学費はすべて無料にすべきだと主張している。
On the Issues: It's Time to Make College Tuition Free and Debt Free
(アメリカの大学は州が管理するので、軍関係を除いて国立の大学はない。
ちなみに、ハーバード大学を始めとするIvy Leaguesと呼ばれる一流大学は、
すべて私立である)
若年層が圧倒的にサンダース氏の支持するのは、このような理由もあるのだろう。
66歳以下と女性もサンダーズ支持
以下の記事は、このように述べています
>出口調査によると、サンダース氏の支持率は
>66歳以上を除く全年齢層および女性有権者でクリントン氏を上回った。
>この結果は、富裕層と大企業が中間層に不利な経済的仕組みを作っているとの
>サンダース氏の主張が有権者の心に響いたことを物語っている。
自由と平等のジレンマ
アメリカの場合は、更に自由と平等の両方を大切にしているので、
「自由を許せば格差が広がり、平等を推し進めれば自由が犠牲になる」
というジレンマを抱えています。
自由と平等のジレンマは、アメリカ社会の建国精神に深く根付く矛盾なので、
その分、この今回の大統領選挙で、社会主義者を自称するサンダーズが
どこまで支持を広げられるか興味が湧くところです。
establishment (既得権益)への反感
大統領選が始まる前までは、
圧倒的に有利と考えられていたヒラリーやジェブ・ブッシュ(ブッシュJr.の弟)が、
establishment (既得権益)と近いせいで反感を買い、
泡沫候補と思われていたサンダースやトランプが、
誰もが予測しなかった躍進を遂げています。
アメリカ市民が今年どのような選択を下すのか、まだまだ目が離せないところです。