サンダーズ大統領候補の魅力を「integrity」から読み解く
前回の記事では、最近の米国大統領と候補者たちの中から、しずかちゃんの姿を追う求める道中で見つけてしまった衝撃的な写真を紹介した。
今回の記事では、ちゃんと真面目に、サンダーズとしずかちゃんの類似点を、integrityという日本語に訳すのが不可能な言葉から、読み解いてみたい。
Integrityはサンダーズ?
出木杉くんを別にして、ドラえもんのメインキャラクターの中で、一番Integrityを持っているのは、明らかにしずかちゃんだろう。
そして、近年のアメリカ大統領と候補者の中で、オバマ大統領は別にして、一番Integrityを持っているのは、サンダーズだ。
Integrityとは?
Integrityは、「高潔・誠実・清廉」と日本語に訳されるが、アメリカ人が、ビジネスでも政治でも指導者に求める資質のトップ条件の一つだ。
田草川弘という東海大学の外国語教授によれば、インテグリティというのは特別な言葉だそうである。
米国ではインテグリティがあると言えば最高の褒め言葉になる。逆にインテグリティを喪失したといえば、それは人格の全否定になる。
インテグリティとは、いかなる権力や圧力にも諂わず屈しない道義心の堅固さ、この人ならばと人格的に全幅の信頼を集める内面的な強靱さ、したたかさ、行動力と実績を意味する。
integrityとは「真摯さ」?
もう一つ、インテグリティの説明を、こちらの記事から紹介しよう。
ドラッカーのほぼ全ての著書を訳している翻訳家の上田惇生氏(ドラッカー学会会長)は、integrityを「真摯さ」と訳しているが、
どうも私は、個人的にしっくりこないので、以下の文では、「真摯さ」の箇所を英語のintegrityに戻した。
経営管理者が学ぶことのできない資質、習得することができず、もともともっていなければならない資質がある。(中略)
それは、才能ではなくintegrityである。
部下たちは、無能、無知、頼りなさ、不作法など、ほとんどのことは許す。しかし、integrityの欠如だけは許さない。
integrityに欠ける者は、いかに知識があり才気があり仕事ができようとも、組織を腐敗させる。
(ドラッガー著『現代の経営』から)
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integrityの欠如の定義
ドラッカーは、integrityの定義は難しいが、integrityの「欠如」の定義は簡単だとして、以下の例を述べている。
ちなみに、下記のドラッカーが挙げた「integrityが欠如している人物」の例を読んで、私が即座に思い浮かんだのは、共和党の最有力大統領候補であるトランプの姿だ。
・人の強みではなく、弱みに焦点を合わせる者
・冷笑家
・「何が正しいか」よりも、「誰が正しいか」に関心をもつ者
・人格よりも頭脳を重視する者
・有能な部下を恐れる者
・自らの仕事に高い基準を定めない者
(ドラッガー著『現代の経営』から)
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二大政党制の行き詰まり
今回の大統領選の混乱は、根本的には二大政党制の行き詰まりにある。
ヒラリー以外の民主党候補を真剣に検討しなかった民主党首脳部の怠慢であり、
逆に、多数の候補を乱立させて、トランプのような人間に首位独走を許した共和党の指導部の無力さでもある。
まとめ
今回の記事では、サンダーズとしずかちゃんの類似点を、integrityという日本語に訳すのが不可能な言葉から、読み解いてみた。
ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)とNBCニュースが共同で実施した直近の世論調査では、クリントン氏とトランプ氏を否定的に見ている人の割合はそれぞれ56%と65%だった。
国民の大多数が「信頼できない」と断じる2人の候補者が、次期アメリカ大統領の席に一番近い位置に立っているとは、皮肉なことである。
少し感傷的な記事ですし、政治的信条も私と随分異なりますが、この記事の内容にも、心を動かされました。
心あるアメリカ市民は、今回の大統領選の行方に早くも悲観し、絶望している。
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