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ソロー「森の生活」に思う高校生だった自分と大人になった現在の自分

ソローの名著「森の生活」は、ご存知だろうか?

森の生活〈上〉ウォールデン (岩波文庫)

森の生活〈上〉ウォールデン (岩波文庫)

ソローがウォールデンでの森の生活での2年間の生活の細部を、
「何を食べていたか」「何をして時間を過ごしていたか」
「どんな家に住んでいたか」等々と淡々と綴っている本だ。

初めて読んだ高校生の時

小説のような山場もなく、
初めて読んだ高校生の時は
「なんと退屈な本だろう!」と思ったのをよく覚えている。

一度読み始めた本だからと、
意地の張り合いだけで、なんとか読み終えることができた。

あの頃の私は、同じアメリカ・ルネサンスの哲人でも、
散文的で山場もなく、生活の細部を淡々と綴るソローよりも、
もっと抽象的で、哲学的だが解りやすい言葉で語られたエマソンの講演集の方が
ずっと読みやすいと思っていたし、好きだった。

大人になって読み返したソロー

だが大人になってから読み返したソローは、全然違うように感じる。
高校生の時には、全く感じ得なかった魅力をもって、ソローが迫ってくるのだ。

どうして、高校生の時と今と感じ方が違うのかを考えてみたら、
それは高校生の時には、「生活の実感」というものがなかったからだと思う。

あの頃は実家に住んでいて、料理も洗濯も掃除も、
基本的には全部専業主婦のお母さんの仕事だった。

「どこに住むか」とか「家賃がいくらか」とか
「今月はいくら稼いだから、いくらのお金で過ごせるか」とかは考えたこともなかった。

真の自立

結局あの頃の私は、ただ頭でっかちなだけで、
一人では生きていけない子供だったのだろう。

衣食住の収入すべてを自分一人で遣り繰りする自由と責任を持ってから初めて
この本を理解するスタートラインにやっと立てた気がする。

この本が醸し出す深々とした冬の空のように澄んだ孤独の感覚が好きだ。
自分一人の足で立てて初めて、彼の思索の後を辿ることができるのだろう。

ぜひ原書で読んでみて!

ソローの文章はとても詩的なので、ぜひ原書で読んでみることをお勧めします。
ペーパーバックで700円、Kindle版は0円で大変お得です。

WALDEN or Life in the Woods (Wisehouse Classics Edition)

WALDEN or Life in the Woods (Wisehouse Classics Edition)

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