アメリカ式のルールが世界を席巻!2050年まではアメリカが優位?
巷にはアメリカの没落等を論じる本も多々あるが、
私はあまり相手にしていない。
- 作者: 堤未果
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2014/11/14
- メディア: 新書
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アメリカの優位性は、ソフト・パワーにこそある。
彼らの論理にも一理あるかもしれないけれど、どうもこの手の本は、
アメリカの仕掛けたグローバル化の根本的な部分を理解していないように見える。
そのような本より最近のナイ博士の本の方が説得力がある。
- 作者: ジョセフ・S・ナイ
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2015/09/26
- メディア: 単行本
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ナイ博士は「ソフト・パワー」の概念を初めて提唱した政治学者だ。
こちらの本も論じているように、
アメリカの優位性は、ソフト・パワーにこそある。
普遍性を希求するアメリカ社会
- 作者: 渡辺靖
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2015/10/23
- メディア: 単行本
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確かにアメリカ社会には普遍性を希求する風土がある。
普遍的な土台がなければ、公平な競争は不可能だからだ。
しかし、同時に100%普遍的で中立な社会ルールは存在しない。
現代私達の世代が直面しているのは、
政治・経済・文化等の生活のあらゆる側面で、
グローバル化の名の元に
普遍性の仮面を被ったアメリカ式のルールでの飽くなき競争だ。
アメリカ式のルールの一覧
政治=民主主義
経済=資本主義
技術=情報革命やエネルギー革命
言語=英語
文化=ハリウッド映画やディズニー映画
食べ物=マクドナルドやスターバックス
ファッション=Tシャツやジーンズやスーツ
国粋主義での対抗は危険
ただこのようなグローバル化(アメリカ化)に対して、
安易に国粋主義で対抗するのは大変危険である。
冷戦終結以後の様々な血を血で洗うような民族紛争の歴史が、
それを物語っている。
片方には極端なグローバル化の元の激しい競争、
もう片方には、自己陶酔的で暴力的な国粋主義、
この二つの強い引力の間で、
どのようなアイデンティティーを構築するかが
個々人に問いかけられている問題だ。
アメリカ・中国・インドの三国時代!?
私の恩師は以前、21世紀は、
アメリカ・中国・インドの三国時代になると論じた。
まあ、2050年ぐらいまでは、
今のアメリカの優位は揺るがない気がする。
多様なアイデンティティーの在り方が交錯する中で、
これからどのような世紀が拓かれていくのか大変に興味がある。