アメリカ版ミニマムライフの伝統
アメリカの社会は、
表層ではひどく騒がしくて慌ただしくもあるんだけど、
その底流には、「シンプルさへの希求」という正反対の流れもある。
前回までの経緯
前回の記事で、ケン・シーガルが、アップルの会社哲学を
「シンプルさへの希求」という一言にまとめたというのを紹介した。
アメリカ社会の「シンプルさへの希求」
元々アメリカの「建国の父」と呼ばれた清教徒達は、
禁欲的で質素な暮らしを好んだ。
しかし、その後のアメリカは世俗化して、欲望の箍が外れ、
更に消費型の資本主義社会の欲望の充足を煽り、
満足を知らずに目新しさばかりを追い続ける無秩序な生活となっていった。
「建国の父」の追求したシンプルな暮らしを、宗教の枠組みを超えて普遍的に、
最も良質な形で示したのは、アメリカ・ルネサンスの哲人ソローだと思う。
ソローの名言
シンプルさにこだわった彼の名言は、枚挙に暇がない。
「細部を気にしていると、人生は浪費されてゆく。単純にしたまえ、単純に。」
「あなたの人生をシンプルにすると、宇宙の法則がよりシンプルになります。
孤独は孤独ではなくなり、貧乏は貧乏ではなくなります。
そして弱さが弱さではなくなるのです。」
ソローに関しては、私も大好きな作家なので、また後日ゆっくり語りたいと思います。